確率変数の期待値の定義

確率変数の期待値の定義 数学

とりあえず、分かりやすい確率変数Xとして宝くじの当選金額Xを考える。
Xの確率分布は次のようになっている。

Xの実現値x0(円)100(円)1000(円)10000(円)
P(X=x)40/10030/10020/10010/100

上の表について補足すると、確率変数Xが実現値1000(円)を取る確率が\( \frac{20}{100} = 20 \% \)というような確率分布を表にして表している。

期待値の定義

確率変数Xの期待値は記号で\( E(X) \)もしくは\( E[X] \)と書く。
※本によって異なるが、この記事では\( E(X) \)を採用する。

期待値\( E(X) \)の定義は、確率変数Xが離散型の確率変数か、連続型の確率変数かで異なる。
まずは両者の定義を示そう。

離散型確率変数Xの期待値\( E(X) \)の定義

$$
E(X) = \displaystyle \sum_x xf(x)
$$

連続型確率変数Xの期待値\( E(X) \)の定義

$$
E(X) = \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} xf(x)dx
$$

宝くじの例での期待値の計算

最初の宝くじの例で期待値を計算してみよう。

当選金額Xという確率変数は離散型確率変数であるから下の定義から計算する。

$$
\begin{eqnarray}
E(X) &=& \displaystyle \sum_x xf(x) \\
&=& 0 \times \frac{40}{100} + 100 \times \frac{30}{100} + 1000 \times \frac{20}{100} + 10000 \times \frac{10}{100} \\
&=& 1230
\end{eqnarray}
$$

\( \displaystyle \sum_x \)は確率変数Xの全ての実現値について計算しろ、ということである。
そして、個々の項で実現値と、その実現値を確率変数が取る確率を掛けて和を取る。

計算して出た1230という数字が確率変数Xの期待値である。

ここで1つ重要なことを説明する。
Xは確率変数であって定数ではない、しかし、その期待値E(X)は定数である。
その証拠に上の例でもE(X) = 1230と定数になっている。

連続型の確率変数の期待値についても、同様に期待値は定数になる。
定義から分かるように、xの関数を積分変数xで定積分しているので、変数は残らず定数になる。

この期待値は定数になる、ということを知っておくと数式変形の見通しがスッキリする場合があるので、覚えておくと良いかも。

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